【塾講師が教える】紙に書かずにらくらく覚える暗記法5選
紙に書いて一回で覚えることができるのであれば、紙に書いて覚えるのがいいでしょう。
しかし、
- 紙に書いてもなかなか覚えられない
- 紙に書いて覚えようとしても時間だけが過ぎていく
- 試験前にまとめノートをしっかりと作っているけど、なかなかテストで成果が出ない
のであれば、改善策を見つけ出すべきです。
私自身も、中学3年間と高専1年次まではノートに書いて試験勉強していました。しかし思ったより成果が出ず。
(当時クラス1位の友人は一回書いたら、全て覚えると言っていて、友人と同じことをしていました。)
暗記法や勉強法の本を読み漁り、試行錯誤することで紙に書かず暗記する方法を身についていきました。紙に書かなくなったことで書く時間を全て覚える時間に使うことができ、学習効率も上がりました。
本記事では、高専次の成績を最低13位から最高1位まで順位を上げ、トルコやポーランドでの留学を経て、今では大牟田と博多で英語塾と有明高専生用の塾の塾長をしているきただが暗記法について解説しました。
ぜひ、最後までお読みください。
【徹底的な理解】理解してから暗記するのが鉄則
まず、暗記する前に絶対やっておかないといけないことは内容の理解です。
暗記法に頼らずとも、内容を理解するだけで暗記できるパターンも多々あります。
暗記法に頼る前に、まずは内容の理解に徹しましょう。
理解しているかの指標は、その内容を自分の言葉や自分の説明ができるかどうか(友達に教えることができるか)が基準になります。
内容の理解では覚えられないものは自分に合う暗記法で覚えるのがいいでしょう。また暗記法も単一の暗記法だけで覚えるのではなく、複数の方法を組み合わせて覚えることで暗記効率が上がります。
暗記法について学んだら即実践してくださいね。
イメージ記憶法
映画館で映画を観て、映画の内容を思い返すと、
映像はなんとなく覚えているけど、セリフは全く覚えていない
こんな経験はありませんか?
文字や言語を司る部分を左脳といい、映像やイメージを司る部分を右脳といいます。
人間は文字情報を文字のまま覚えるよりも、イメージで覚える方が圧倒的に覚えることができます。
イメージで覚える方法のことをイメージ記憶法やイメージ暗記法といったりします。
では、イメージ記憶法の具体的なやり方について例を交えて解説します。
イメージ記憶法のやり方
例 : 生物学で習うミトコンドリアという用語を覚える場合
ミトコンドリアという用語を覚える場合、例えば水戸黄門にドリアがくっついているイメージを思い浮かべてみてください。文字情報で覚えるよりも水戸黄門にドリアがくっついているイメージの方が圧倒的に記憶に残りやすいです。
※ 例えが時代に合っていませんがご容赦ください。
例 : 初対面で桜田さんに合って、桜田さんの苗字を暗記しないといけない場合
田んぼの中に桜が立っていて、同じ田んぼに桜田さんが埋まっているのをイメージしてみてください。
このようにして覚えたい単語を分解または連想できる要素を組み合わせて覚えます。
イメージ記憶法は非常に記憶に残りやすい方法ですが、
① イメージを作るまでに時間がかかる
② 覚えたいものとイメージがかけ離れている場合に思い出せないことがある
③ イメージ記憶法に慣れるまでに時間がかかる
このようなデメリットがあります。
用語や内容を文字でそのまま覚えることができる場合はそのまま覚えたほうが早く、どうしても覚えることができない用語や内容がある場合にイメージ記憶法で暗記することをオススメします。
7回読み勉強法
7回読み勉強法は、東大主席弁護士の山口真由氏によって提唱された勉強法です。
7回読み勉強法とは、教科書または参考書を7回読んで学習する学習法で、
- 教科書を物語(ストーリー)で理解できる
- 暗記系科目に特に効果がある
- 教科書や参考書の細部までカバーできる
- モチベーションが高くなくても始められる
のようなメリットがあります。
私自身も高専2年時に山口氏の7回読み勉強法について解説してある書籍を読み実践したところ、平均点が5点ほど上がりました。では、7回読み勉強法の具体的な方法について解説していきます。私なりにアレンジしていますので、元祖7回読み勉強法で学習したい場合は本書籍を購入するといいでしょう。
7回読み勉強法のやり方
7回読み勉強法は以下の手順で行います。
- 1回目 : 教科書、参考書の図解や表などに目を通す。このときはまだ文字を読まない。
- 2回目 : 雑誌を読む感じで、「ふーん」とサラッと目を通すように読む。文字は飛ばし読み、または興味があるところだけを読む。
- 3回目 : 2回目よりも丁寧に、そして早く読む。内容の理解というよりも、教科書の文字に目を慣らすように読む。3回目読んだ後に教科書の理解度は30%程度。
- 4回目 : 普通に教科書または参考書を読むようにしっかりと読む。
- 5回目 : 要点を頭の中で整理しながら読む。4回目と同じ速度だが、理解度は5回目の方が高い。
- 6回目 : 重要な箇所にマーカーを引いたり、チェックをしながら読む。このときに教科書の内容を暗記するように読む。と良い。
- 7回目 : 4~6回目の読む速度より、1.5倍早い速度で読む。教科書の内容を80~90%理解できる状態で、かつ早い6回目よりも早い速度で読むのが好ましい。
教科書、参考書の内容を覚えるまで7回目以降も繰り返しする。
7回読み勉強法としておすすめな使い方は、
- 日本史や世界史のようにストーリ性が必要な科目
- 生物や化学のように複雑で暗記項目が多いような科目
で用いるのがおすすめです。
個人的には、7回まで読まなくてもある程度、全体像を把握できたら別のアプローチで学習するのも一つの手だと考えます。
マインドマップノートテイキング
マインドマップによるノートテイキングは、授業中のノート術としてもおすすめですが、試験勉強時に用いてもいいでしょう。
マインドマップによるノートテイキングで試験勉強するメリットは、
- 学習内容の整理ができる
- 学習内容の全体像が把握できるため、"わからないところがわからない"という状態から脱却することができる
- 芋づる式に暗記事項を暗記することができる
- マインドマップを作るのが楽しいため、勉強のモチベーションがなくても取り組みやすい
詳しいやり方については、別の記事で紹介していますので、ぜひご参考にしてください。
朝・昼・晩の3回に分けての高速復習
時間と人間の記憶力の相関性を表したエビングハウスの忘却曲線によると、
人は記憶してから、
- 20分後 : 42%の内容を忘れる
- 1時間後 : 56%の内容を忘れる
- 24時間後 : 74%の内容を忘れる
- 1週間後 : 77%の内容を忘れる
とされています。
つまり、勉強した日の次の日には74%程度の内容を忘れてしまいます。
「えっ、1日後には74%も忘れるの?」
一概に74%忘れるというわけではありません。
エビングハウスの忘却曲線は、単なる記憶力を測っているものですので、実験での暗記対象は非常に暗記しにくいものだったはずです。
ただ、この結果から我々が学ばないといけないことは、適切なタイミングでの復習をしないと勉強したことが水の泡になってしまうということです。
そこで、暗記した内容や勉強した内容を朝・昼・夜に高速で復習することをおすすめします。
復習の方法は、
- 赤シートで復習する
- 目を瞑って覚えたことを頭の中で復元する
- 教科書やノートの答えになる文字を手や紙で隠してテストしてみる
復習というよりも覚えられたか、理解できたかのチェックができるやり方で復習するのがおすすめです。
覚えた内容や勉強した内容を復習するのにかかる時間は、暗記に費やした時間の1/5~1/10程度ですみますので、一科目たった数十分で復習が可能です。また、覚えれたか、理解できたかのチェックをせずとも教科書にサラッと目を通すだけでも、授業ノートを見直すだけでも復習になります。
またこの方法は英単語を覚える時にもとても有効ですのでおすすめです。
いかがだったでしょうか?
テストで点数が上がらない、思ったより成果が上がらないのは必ず原因があります。
「点数が悪かった」
で終わるのではなく、結果を受け止めて改善していくことが大切ですね。