高専専攻科に進学するメリット8選【高専専攻科卒業生が教える】
高専3、4年生になると、将来の選択肢について考えるようになります。
・進学か就職か
・進学なら、専攻科か大学の3年次編入か
・就職なら、在籍している高専の推薦で就職活動するか、大学生のように就職するか
私も高専時代は進学についてとても悩みました。
例えば...
「アメリカの大学院に進学したい...」
「〇〇大学に編入したい...」
「やっぱり専攻科にしようかな...」
本記事では、有明高専の専攻科出身の私が、高専専攻科に進学するメリットについて書きました。
最後までぜひ、お読みください。
学費が安い
学費が安い
"学費が安い"は専攻科進学をするときに一般的に言われているメリットです。
高専専攻科の場合は、2022年段階で、入学金が8.5万円、年間授業料が23.5万円です。
対して、
大学3回生に3年次に編入した場合は、入学金が約28万、年間授業料が54万円です。大学3年次編入する多くの人は地元を離れるケースが多く、一人暮らしをするための費用がさらに加算されます。
高専専攻科に進学する場合と大学の3年次に編入する場合の費用を比べると、
最小額で130万〜の差が出てきます。
一人暮らしをする場合は、仕送りの費用なども発生しますのでさらに、金額が膨れ上がります。
学費が安いのは学生にとってのメリットもありますが、親御さんにとっても大きなメリットでしょう。
奨学金を借りることはもちろん可能です。
ただ、日本の場合は
奨学金=借金
です。
本科のときにはあまり、接点がなかった学生と友達になれる
各高専にもよりますが、高専は1学年あたり、200名程度です。
専攻科になると、1学年あたり、25名〜40名ほどになります。
そのため、高専の本科に在籍していたときにはあまり接点がなかった学生と友達になることができます。
※ 個人的な体験ですが、高専を卒業した今でも専攻科に在籍していた人との方がご縁はつながっています。
大学3年次編入する方が友達が増えるのではないの?
と思われがちですが.....
高専生には高専生のノリがあります。
(5年間高専という特殊な環境で育ったから、高専生と高専生は相性がいい)
同じ高専の専攻科に進学した学生同士なら尚更その傾向があります。
大学3年次に編入しても友達はたくさんできますが、高専と大学のギャップを感じるのは間違いないでしょう。
大学院進学のハードルが低い
有名大学に合格しようとするなら、高校1,2年生から受験勉強を始めなければなりません。
しかし、有名大学の大学院を受験する場合、多くの学生が6~8ヶ月くらい前から受験勉強始め、合格しています。
専攻科に進学することで、大学3年次で編入するにはハードルが高い大学の大学院に進学することができます。
最終学歴では卒業大学ではなく、大学院で決まります。
よりレベルの高い大学を最終学歴にしたい場合は
① 大学に3年次編入して、よりレベルの高い大学の大学院を受験する
② 専攻科に進学して、よりレベルの高い大学の大学院を受験する
二つの選択肢があります。
学費との兼ね合いもありますので、最終学歴をレベルの高い大学にしたい場合は、専攻科に進学して、よりレベルの高い大学の大学院を受験することをオススメします。
ギリギリまで大学院進学か就職か悩める
ギリギリまで就職か大学院に進学するか悩める点も専攻科に行く大きなメリットです。
一般的に就職活動を開始するなら、早い人だと8月からインターンシップに行き始め、就職活動の準備を始めます。
専攻科に進学する場合は、大学院に進学するにしても就職するにしても、ギリギリまで悩むことができます。
大学と違い、専攻科で就職する場合も高専の専攻科枠で就職活動ができます。
就職か進学かはキャリア形成において大きな別れ目になりますので、慎重に判断したいものです。
留学(特に研究留学)へのハードルが低い
個人的な体験にはなりますが、私は専攻科の1年生を終えた後に1年間休学して中東やヨーロッパにある大学で研究留学をしていました。
専攻科で1年間休学して、感じたこととして、専攻科での留学のハードルは低いということです。
大学の3年次に編入すると、高専から大学へ環境が変わるため、生活に慣れたり、単位変換の関係でより多くの授業を取らないといけないなど様々な制約が出てきます。
これは留学を難しくする要因でしょう。
また、私は研究留学をしました。
研究留学は正規の交換留学と違って、海外の大学で研究するために海外に滞在します。研究留学で一番大変なのは、研究室探しです。
専攻科の場合は、指導教官の先生が海外にコネクションを持っている場合、指導教官の先生経由で研究留学先を探すことができます。
このような理由から、留学...特に研究留学をしたい学生には専攻科という選択肢をオススメします。
学会などに参加することができる
学生の時は学会で発表するのが嫌で嫌でたまりませんでした。
でも、今こうして振り返ると、学会で発表した経験はいい経験になったなと個人的に感じます。
高専の本科に在籍しているときは、なかなか学会発表の機会には恵まれません。
しかし、専攻科に進学すると、学会発表の機会に恵まれます。
高専は、本科4年生または5年生で研究室に配属され、研究活動に取り組み始めます。
専攻科に進学すると、原則として専攻科1年生と2年生時も研究活動に取り組まなければなりません。
研究のスキルも身に付きますし、学会での発表を早いうちに経験することができるのは、専攻科に行くメリットの一つでしょう。
ただ、このメリットは向上心がある学生のみに限ります。
授業が少人数だから集中しやすい
専攻科の場合は全コース合わせて最大、40名ほどしか学生がいません。
数学や英語などの一般的な科目は40名での一斉授業になりますが、専門の授業の場合は先生1人が6~7名の学生に授業をすることになります。
本科の時は、先生1名に対して、学生が40名ですので....
先生への質疑応答がしやすく、より授業に集中することができます。
専攻科で教わることは、大学院で教わるような内容も含まれます。
大学のカリキュラムと専攻科のカリキュラムを確認すると、大学では習わないような科目を普通に習います。
研究とアルバイト、勉強が両立しやすい
勉強、アルバイト、研究活動の両立がしやすいのも専攻科に行くメリットでしょう。
高専から大学の3年次に編入する場合は地元を離れるケースがほとんどです。
地元を離れるため、奨学金は借りれるにしてもアルバイトをたくさんして生活費を稼がないといけなくなります。
専攻科に進学すると、これまで通っていた学校に継続して通い続けるわけですから、そこまでアルバイトに傾注しなくても良いわけです。
そのため、勉強、アルバイト、研究活動の両立が非常にしやすく有意義な学生生活を送ることができます。
以上が私が思う、専攻科に進学するメリットです。
ぜひ、ご参考いただけたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。