寝れるなら寝たほうがいい【睡眠と学習パフォーマスの関係】
きただです。
以前塾生と話しててこうアドバイスしたことがあります。
「睡眠時間を削るのは最終手段だよ。まず、どうすれば短時間で勉強や宿題を効率的にできるのか考えて実行すること。削るのは誰でも思いつく簡単なアイディアだから、そっちに思考が偏るけど....効率的にこなすには試行錯誤が必要になるからみんな避けてる。まずはここに意識を集中すること」
今回の記事では睡眠と勉強のパフォーマスの関係について紹介します。
睡眠時間が勉強のパフォーマンスに与える影響
あたりめのように、勉強や仕事の時間を確保するために睡眠時間を削ることが一般的になりつつあります。
しかし、十分な睡眠を確保することが、学習能力や記憶力、そして全体的なパフォーマンスに大きな影響を与えることが数多くの研究で明らかになっています。
1. 睡眠と記憶の関係
睡眠は記憶の定着において重要な役割を果たします。
Walker and Stickgold (2010) の研究によると、学習後の睡眠は新しい情報を長期記憶に移行させるプロセスを促進します。このプロセスは特に睡眠の深い段階であるノンレム睡眠(深い眠り)で活発に行われることが示されています。
十分な睡眠がない場合、新しく学んだ知識やスキルを思い出す能力が大幅に低下することが確認されています。
2. 睡眠不足と認知機能の低下
Durmer and Dinges (2005) のレビュー研究では、慢性的な睡眠不足が認知機能に与える影響について書かれています。
睡眠不足により、注意力、判断力、問題解決能力が著しく低下することが報告されています。
3. 睡眠時間と学業成績の相関
Wheaton et al. (2016) が行った高校生を対象とした調査では、毎晩8時間以上の睡眠を確保している生徒は、睡眠不足の生徒に比べて成績が高い傾向があることがわかりました。
この研究では、十分な睡眠が集中力やモチベーションを高める要因として作用していることが示唆されています。
4. 成長期における睡眠の重要性
特に成長期の子どもや若者にとって、睡眠は脳の発達と学習能力にとって不可欠です。
National Sleep Foundation (2019) は、10代の若者には毎晩8–10時間の睡眠が推奨されていると報告しています。この推奨量に達していない場合、学習効率の低下だけでなく、ストレスや不安の増加にもつながる可能性があります。
5. 睡眠不足がメンタル面に与える影響
睡眠不足は、メンタルヘルスにも深刻な影響を与えることが知られています。
- ストレス耐性の低下: Killgore (2010) の研究では、睡眠不足がストレス耐性を著しく低下させることが示されています。
- 感情の不安定さ: 睡眠不足は、怒りや悲しみといった否定的な感情を強める傾向があります。また、ポジティブな出来事に対する喜びを感じる能力も低下します。
- 不安感やうつ症状の増加: Baglioni et al. (2011) によるメタ分析では、睡眠不足が不安障害やうつ症状のリスクを高めることが指摘されています。特に学生のようにプレッシャーの多い環境では、この影響が大きいです。
メンタル面が不安定になると、集中力や記憶力がさらに低下し、学習効率に悪影響を及ぼします。
僕自身、精神疾患を抱えている生徒たちの指導経験もあるので、メンタルがパフォーマスに与える影響の大きさはめちゃめちゃ大きいと思います。朝起きた時に、「今日はいい日になりそうだ」と思うだけでその日が健やかに送れる可能性が上がるというのは心理学研究でも知られている話です。
睡眠時間が足りていない⇨情緒不安定⇨勉強に集中できない⇨パパママから怒られる
これこそ悪循環すぎます。
本当に時間がないときは睡眠時間を削っていいです。テスト勉強とかしょうがないですからね。まあ、1年くらいならショートスリーパー生活でも健康にそこまでたたりません。
ただ、それがデフォルトになっているとまずいです。
睡眠時間を削るのは簡単なことですよ。あくまでも削らずに質を上げてこなす
ことにまずは意識を向けることが大事です。