自己流に戻ったら成績が元に戻ってしまった
きただです。
ある塾生と話してたらこんな話が話題にあがりました。
「前々回の試験は自分なりの勉強法でやって、前回は先生が教えてくれた方法で勉強して、今回はまた自己流で勉強したら、成績の変動があった。」
とのこと。
詳しくテスト結果を見せてもらったら、勉強法を教えて実際に試してもらった時が一番成績が良くて自己流の勉強法に戻ったら成績が悪化したとのことでした。
ちなみに、この塾生の勉強法は成績をあげる上では効果的ではありませんが、勉強の本質のような勉強法です。そのため、「テスト前ではないならその勉強法もいいけど、テスト期間中は効果出にくいよ」と伝えています。
勉強の基本はアクティブリコールと反復学習ですので、繰り返し繰り返し演習+暗記を適切な周期で繰り返せばある程度は成績は伸びます。
もちろん…
- これまでの勉強量
- 授業中の集中度具合
- 暗記力
- 数学力
- 性格
- 遺伝的要素
など勉強の成果はさまざまな要素から構成されているので…勉強法で大きく変わる生徒とそうではない生徒がいます。
ただ、この塾生の場合は勉強法で大きく変化がある塾生でした。
勉強法によって成績が大きく変化する生徒がいる一方で、そこまで変化しない生徒もいます。この違いはどこから生まれるのでしょうか?今回の塾生のケースを考えながら、勉強法が成績に与える影響について深掘りしていきます。
- 「自己流」の問題点とは?
多くの生徒は「自分なりの勉強法」を持っています。しかし、その勉強法が最適とは限りません。自己流の勉強法が成績に悪影響を及ぼす主な要因は以下のようなものです。
受動的な学習になりがち:ただノートをまとめるだけ、教科書を読むだけでは記憶に定着しにくい。
復習のタイミングが適切でない:記憶は時間とともに薄れるため、適切な周期で復習しないと定着しない。
アウトプットが少ない:問題を解かずにインプット中心の勉強になると、試験本番で使える知識にならない。
理解より暗記に頼る:特に数学や理科などの科目では、公式や解法の丸暗記だけでは応用問題に対応できない。
この塾生の場合、自己流の勉強法に戻ったことで、圧倒的に演習量とアウトプットの機会が足りず成績が下がりました。
- 効果的な勉強法の本質とは?
勉強の基本は アクティブリコール(能動的想起) と 反復学習 です。
アクティブリコールとは?
「思い出すこと」自体が強力な学習法です。単語帳の暗記で、表を見て裏の意味を思い出すとき、脳は「記憶を引き出す」作業をしています。この引き出す作業が、記憶を強化するのです。
問題を解く(解けなかった問題は後で復習)
人に教えるつもりで学ぶ(または実際に説明する)
ノートを見ずにアウトプットする(例:白紙に書き出す)
反復学習とは?
一度学んだことを「ちょうど忘れかけた頃」に復習することで、記憶の定着率を上げることができます。
1回目 → その日のうちに復習
2回目 → 1日後
3回目 → 3日後
4回目 → 1週間後
5回目 → 1ヶ月後
このスケジュールで学習すると、長期記憶に残りやすくなります。
- 成績を大きく伸ばす生徒の特徴
塾生の中には、勉強法を変えるだけで大きく成績が伸びる生徒がいます。その特徴は以下のようなものです。
・勉強法の違いによる影響が大きい
もともと自己流の勉強法が非効率だった場合、新しい勉強法で急激に伸びる。
・適応力がある
新しい勉強法を素直に試し、改善できる。
・演習量が不足していた
アクティブリコールの機会を増やすことで一気に成績が伸びる。
一方で、もともと自己流の勉強法が比較的合理的だった生徒は、勉強法を変えてもそこまで大きく変化しないことがあります。
- なぜ自己流に戻ってしまうのか?
この塾生のように、一度効果的な勉強法を実践したのに自己流に戻ってしまうケースはよくあります。その理由としては、
「慣れた方法が楽だから」
「新しい方法に不安を感じる」
「短期的な結果が見えにくいと感じる」
といった心理的要因が挙げられます。
しかし、ここで大切なのは 「結果を基準に考えること」 です。
今回の塾生のケースでだと、自己流→きただ流→自己流
でした。
そして、本人なりにも、「自分の勉強法だと成績をあげる上では効率的ではない」ときちんと理解できたようでした。
今回の反省を活かして次回はぜひ高得点を目指して欲しいですね。